2021年3月2日火曜日

読書感想文「100分で名著 カール・マルクス 資本論」「人新生の「資本論」(斎藤 幸平)

 アウトプットって大事だなぁと思っていて、自分の学んだことだったり、経験したことを何かしらの形でアウトプットすることによってそれらが自分の血肉になっていくのだと思います。

今年1月、新年が始まるときに菜生ちゃんと100wishes を共有したときに、読んだ本の内容を菜生ちゃんに話して伝えるとか、読書感想文を書くとかいう話もしたように思います。

読書感想文なんて小学生の時の夏休みの宿題とかでやったきりのように思いますし、そもそも読書感想文の宿題もそんなに好きな宿題ではなかったように記憶しています。「読んだ本をどう感じたかなんて放っておいてくれ。」というような。

ただ、ちょっと備忘録的にアーカイブ的に残していこうかなと思ったので試験的に簡単に書いてみようと思います。

数少ないブログ読者さんのニーズに応えるものではないと分かりながらも、他に別途そういう場所をこしらえるのもちょっと今は煩わしいのでこのブログを使用させてもらいます。

「100分で名著 カール・マルクス 資本論」

「人新生の「資本論」

(斎藤 幸平)

最近、熊本大学准教授の苫野一徳さんのオンラインゼミにゼミ生として登録し自分のペースでゼミに参加させていただいている。

そこではルソーについて少しみんなで勉強していたのだが(ルソーについても今後書いてみたい)、そこの話の中で「マルクス」について少し言及された人がいた。

「マルクス」と言えば「資本論」や「共産党宣言」などは有名で学生時代に触れた経験もあるが、なんとなく中国や旧ソ連などの共産主義国などのイメージであったり、日本赤軍のイメージが強く、気になりつつも敬遠してきたきらいがあった。

ただ、この度NHKの「100分で名著 カール・マルクス 資本論」を手に取り読んでいくにつれてイメージが変わった。

著者の斎藤幸平さんはマルクス研究者で僕よりも年が若い1987年生まれだそうだ。

まずそこに惹かれるものがあった。

ちょっと上の世代がマルクスにのぼせて、という印象がやはりあったが、僕よりも若い人がマルクスを研究し、その世界では世界的な認知を受け注目されている。

今回のコロナでも様々な気付きがあった。

コロナで大変な生活の変容を余儀なくされた。

大変な不自由を被っている人がたくさんいるし、様々な悲しい経験をされた(現在進行形でされている)人も多数いるだろう。

その中で、世界中でこのような困難を乗り越えようとお金を刷って市中に配るという流れが起きている。

もちろんその日暮らすにも困る人に対しての何らかの救済は必要であるし、為政者が考えなくてはならない最重要項目だとは思う。

しかし、お金を刷って配ることによって顕在化するもう1つの側面として、マネーの行先だ。

世界中で行き場を失ったマネーが株式・債権・仮想通貨・金などなどの投資に回っているという。

日本を含め、世界中の株価の上昇という現象も起きている。

実際に多くの人が生活で困窮している傍らで、株式など投資をしている人は大きく資産を増やしているという格差の拡大が分かりやすい形で顕在化しているのではないだろうか。

資本主義というシステムが人類にもたらした功罪は大きい。

そのシステムの中でいろいろなものが進化し、世界中にそれらが広がり人々の生活を便利で豊かにした側面は確かにあるが、その中で格差もまた極端に広がった。

よく引用される数字では国際非政府組織(NGO)オックスファム・ インターナショナルの「上位26人の富豪が153兆円保有、38億人分の資産と同額」というのが有名かもしれない。

格差は格差で、格差そのものが悪ではないかもしれない。

ただ、僕が今まで引っかかってきたのは、「持続可能性」の部分だったのかもしれない。

マルクスの「資本論」は未完の書で、マルクス没後に友人のエンゲルスがマルクスの膨大な遺稿を整理しながら書き上げたものらしいが、それでもここ近年世界のマルクス研究者がさらにそれら遺稿やメモを整理して再編しようという動きがあるそうだ。

その中でも、マルクスは資本主義と地球環境というところについても言及しているそうだ。

資本主義のシステム上、売れるものをどんどん生産し、資本を増やしていくのだが、その生産手段となる「資源」と「労働力」は搾取されやすい特徴を持つ。

無限に拡大し続けていく資本主義というモンスターに対して、地球資源はもちろん有限で、行き過ぎた人類の経済活動によって噴出している環境問題というのが昨今のグローバルイシューなんだろうと思う。

脱炭素社会

地球温暖化

異常気象

とても身近な現象やワードになってきたが、人類が資本主義というモンスターとどう付き合っていくかという根っこの部分に焦点を当てない限り、ずっと付きまとわりついてくる問題に見えて仕様がない。

再生可能エネルギー

電気自動車

などなど資本主義の枠組みの中でこれらのグローバルイシューの解決を図っているが、それはそもそも解決策にならないと著書の斎藤さんは言う。

れいわ新選組に所属していた大西つねきさんの「政府紙幣の発行」などは面白いアイディアだなぁと当時拝聴していましたし、

斎藤さんが著書の中で何度も言及する「脱成長」という単語はキーワードな気がしますし、

藻谷浩介さんの「里山資本主義」というアイディアも面白いなぁと思いますし、

僕が長年、どのあたりに線を引いて生活していけば良いのかという関心ごとに、とてもヒントをくれる今回の斎藤さんの本だったように思います。

我が家は子宝に恵まれて4人の子どもたちと今賑やかに生活していますが、子どもたちの代になったときも、楽しく豊かな環境の中で幸せに生活していって欲しいと願ったときに、私たちが資本主義とどう向き合ったら良いのかという風にたどり着くように思いますし、どういう態度で生活していったら良いのかというところにたどり着くようにも思います。

一つひとつの行動が自分の思想の表現になるように思いますし、だからこそその人の佇まいから感じるものがあるのかもしれません。

人って面白い。

本って面白い。

面白い人と出会いたい。

面白い本に出会いたい。

今年の大河ドラマは渋沢栄一が主人公ですね。

西郷隆盛の時は毎週欠かさず見てましたが、今回もビデオ録画して見始めました。

良いものに触れていたい。

「資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界」(佐々木 実)

も図書館で借りて読んでいますが、そろそろ「資本主義」について触れるのもお腹いっぱいになってきたので、休憩しようかなと思います。

最近はグリーンウッドワークに興味があり、ナイフ片手に木を削ったりしています。

誕生日にと両両親様からお祝いのお金をいただいたので、丸ノミなどのグリーンウッドワークするにあたっての手工具なんかを購入したいなと考えている今日この頃です。

自分の作ったものが生活のシーンに登場するって、僕はそんなのが好き。

今はスプーンを作っていますが、次はベビーチェアを作ってみたい。

読書感想文って難しい。

継続しながらブラッシュアップしていけたらと思います。

2 件のコメント:

  1. 高校の頃、高い山に登った時「山を征服した」と思うか「山に登らせてもらった」と思うのか議論になりました。日本の思想の中にあるのは、自然は征服するものではなくその中で生かせてもらうものという考え方だと感じます。世界にこの考えが広まればと思います。

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    1. いや本当にそうですね。
      そういう謙虚な姿勢を大事にしていきたいです。

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